座間味村

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施政方針

令和6年度施政方針

1 はじめに

施政方針を述べるにあたり1月1日に発生した能登半島地震においてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。

本日、令和6年第1回座間味村議会定例会の開会にあたり、令和6年度の予算をはじめとする諸議案など、村政運営に対する私の基本的な考え方について申し述べる機会を賜り、お礼を申し上げます。

平成21年6月に村民の皆様の負託を受け村長に就任して以降、4期目の村政運営のかじ取りをお任せいただき、今年の5月末には村長就任後15年が過ぎようとしています。村政への御理解・御協力に対し、村民の皆様には改めて感謝申し上げるとともに、引き続き村政の発展のために取り組んで参る所存です。

私は、村長に就任以来、行財政改革をはじめ、子育て支援や住民福祉の向上、観光を中心とする産業の振興等による定住促進を村政の柱に議員の皆様のご協力のもと取り組んで参りました。

令和2年国勢調査結果では人口892人と平成27年の国勢調査結果と比較して22人の人口増となり、微増ではありますが施策展開により一定の成果が上がってきたものと認識しています。厳しい村財政を支える財政調整基金におきましては就任当時約2千万円でありましたが、本年度末までには約6億6千万円まで積み立て回復する事ができました。また、20億円以上の公債費残高においても13億円まで圧縮できましたが、近年の厳しい財政状況を踏まえ、引き続き行財政の改革に努めてまいります。

令和6年度においては、村政運営の基本となる「座間味村第五次総合計画」や令和3年度に策定した「第2期座間味村人口ビジョン・総合戦略」等の各種計画に基づき、各種施策に積極的に取り組み、様々な行政課題の解決に向け、職員と共に村政発展に努めて参ります。

「村政運営の基本姿勢について」申し上げます。

本村は島ちゃびの解消による「定住促進」、観光産業を中心とした「産業の活性化」、そして「行財政改革」を村政運営の柱としております。

定住促進においては、一括交付金事業及びハード交付金事業等の活用にて多用途住宅、定住促進住宅の建築により一定の成果を見せており沖縄振興特定事業推進費を活用した民間事業者との協働による新たな住宅整備事業が完了し、4月より入居開始となる予定です。今後も住民のニーズや人口の動向も注視しながら住宅整備を検討しつつ、農業や水産業の基盤を整えることで就労の機会を増やすことに加えて、子育て支援、住民福祉の向上に取り組み、定住促進につなげて参ります。

産業の活性化に関しましては、コロナ禍を経て、多様化するニーズを踏まえた、産業振興が急務であるとの認識のもと、国や県と連携し、切れ目のない公平感のある各種施策を引き続き展開して参ります。

また、一次産業の活性化は、リーディング産業である観光産業と融合することにより新たな産業を形成し活性化するとの基本的な考え方のもと、農業や水産業の基盤整備にも注力して参ります。

観光産業に関する取組については、DMOの認定を受けた座間味村観光協会や環境省と連携しながら国立公園にふさわしい施設整備を進めて行く一方、持続可能な観光地づくりに向けて自然環境や集落環境保全を取り入れた景観計画条例や平成30年度に策定した観光振興計画に基づいた各種施策に取り組んで参ります。

各種施策の推進にあたっては、既存の補助事業の活用と併せて沖縄振興特別推進交付金事業等を活用し、インフラの整備や平和の発信と後世へ史実継承のため戦跡整備事業についてもしっかりと取り組むなど座間味村の一層の発展につながる施策展開を図って参ります。

国においてはデジタル手続法が施行され、行政手続の原則オンライン化が順次進められており、デジタル化の動きは急加速しております。

本村においても、「自治体DX推進計画」を策定し、情報システムの標準化・共通化、マイナンバーカードの普及促進、自治体の行政手続きのオンライン化などの目標を掲げ、住民サービスの向上や産業の振興を図ることで持続可能な自治体経営が行えるよう取り組んで参ります。

また、新型コロナウイルス感染症においては、昨年5月に5類へと移行し、様々な制限が無くなりましたが、近年の物価高騰等を踏まえ引き続き、低所得者層や子育て支援など国、県等の方針を踏まえながら各種対策に取り組んで参ります。

令和6年度も引き続き住民の安心安全は基より、教育環境の充実や産業の振興にも積極的に取り組むとともに、観光客の皆様を安心して迎え入れられる体制づくりに全力で対応して参ります。

以上の基本姿勢に基づき調整した令和6年度当初予算は、特別会計及び企業会計を含め31億4千万円余りと予算規模が非常に大きくなっており、令和6年度予算においてもその財源の確保に苦慮する厳しい予算編成となりました。全ての経費について、徹底した見直しを図り、無駄を排除するとともに、公正公平な税負担や収納対策の強化や新たな財源の確保を検討するなどにより行財政運営を行って参ります。

また、本村の懸案事項である阿嘉島への駐在所の設置や港湾整備等についても引き続き国や県に支援を求めて参ります。 

2 「主要施策の概要」について申し上げます。

第1に、「行政一般について」申し上げます。

定住促進とあわせて安定的な人口の増加は行政サービスの維持や学校運営等にとって重要な要素であります。

平成24年度から始まりました沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)につきましては、令和4年に沖縄振興特別措置法等の一部が改正され、令和4年度以降についても10年間継続することが決定されました。引き続き一括交付金を活用して島ちゃびの解消等につながる各種事業を継続して実施し、村民の更なる生活環境の充実を図るとともに、本村を訪れる観光客の増加ならびに満足度向上に向けた事業等に積極的に取り組んで参ります。

行政運営においては行政職員の人材育成は進んできたものの、近年、新たな職員の採用が非常に厳しい状況を迎えていることから、令和4年度から参画している「沖縄県離島町村職員採用共同試験」を活用するとともに、包括連携協定を結んでいるおきなわフィナンシャルグループをはじめ、民間企業からの外部登用による人材確保を図りながら職員の働き方改革、スキルアップ研修などを実施し、魅力ある職場づくりに努めるとともに複雑化する住民サービスに対しきめ細やかに対応できるように阿嘉・慶留間出張所の職員を増員し各島へのニーズに応じたサービスの強化に取り組んで参ります。

また、村の財源の要となる税等の徴収率向上やふるさと納税を広く呼びかけ、財源の確保に努めて参りますが、年度途中においても現予算のスクラップアンドビルドによる見直し作業を行うなど、厳しい財政状況を全職員一丸となり乗り切るよう取り組んで参ります。

公営企業におきましては、国から求められていた経営状況の適確な把握が可能となる地方公営企業法の適用を令和3年度より準備を進めて参りました。令和6年4月1日よりこれまでの「単式簿記」の官庁会計から「複式簿記」の企業会計へ移行となります。地方公営企業法の適用により、経営状況を把握することで経営基盤の強化に努めて参ります。

更に、令和5年度に策定いたしました中長期財政計画を活用し、持続可能な座間味村の発展と誰一人取り残さない社会づくりの実現に取り組んでまいります。

第2に、「福祉サービスについて」申し上げます。

 福祉サービスにつきましては、令和5年度策定の「高齢者保健福祉計画」・「障害者福祉計画」に基づき、高齢者や障害者への福祉施策とあわせて、子育て支援等についても現計画に基づいた、「一人ひとりに寄り添い、必要に応じた福祉サービス」が提供できるよう、各種計画を着実に推進して参ります。 

高齢者支援につきましては、コロナ禍が明け高齢者の皆様の集まる機会等が元に戻り、いこいの広場や専門の理学療法士によるリハビリテーション活動等の支援事業を実施しております。令和6年度も高齢者一人ひとりが、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます。

 障害者支援につきましては、これまでの国の指針や社会情勢、村の障害者・障害児及び地域福祉の方向性等をふまえ、施策の更なる推進を図るとともに、障害福祉サービスや医療費助成を継続して実施し、「地域共生社会の実現」、「自分らしさ」、「誰ひとり取り残さない」を理念とし安心して家庭や地域で暮らすことができる環境づくりに取り組んで参ります。

 これらの施策を実現するため、本村では、重度心身障害者の方に対する医療費助成や専門性の高い治療や福祉サービスを受ける為、島外への通院等が必要な方に対し船舶運賃及び宿泊費の一部を助成する事業等を引き続き実施して参ります。

令和6年度も村社会福祉協議会や各診療所、座間味偕生園及びサテライト阿嘉偕生園と連携を図りながら、より質の高い幅広い住民福祉サービスを皆様に提供できるよう、福祉施策の充実・拡充に引き続き取り組んで参ります。 

子育て支援につきましては、昨年度より「子育て世代包括支援センター」を設置しており、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行っております。令和6年度の取組として妊産婦向けのイベントを定期的に開催し、情報交換や支援の場を提供いたします。

将来を担う子どもたちの特性に合わせた療育相談の実施については、村教育委員会と緊密に連携し家庭支援の充実を図ります。

令和7年度には「第3期座間味村子ども・子育て支援事業計画」が策定されるため、「子どもが輝き、地域が元気づく座間味村」の基本理念のもと計画準備の推進に務めて参ります。

各種健診・母子事業の周知事項は今後もSNSを通じて発信し、子育て情報を常時取得できるサービスを推進して参ります。

また、妊産婦健診にかかる船賃補助事業、産婦健診受診のための補助事業、出産助成金の支給、こども医療費の現物給付など引き続き子育てに特化した支援を行って参ります。

保育事業につきましては、子育て支援員の方々や村内民間保育所と連携を図り子育て世帯の支援を行って参ります。

第3に、「保健・医療について」申し上げます。

 保健・医療につきましては、「村民の健康づくり」のため、医療・保健・福祉の連携強化を図り、特定健診並びに各種がん検診の受診率の向上に努め生活習慣病予防対策に取り組むとともに、その他、感染症の予防接種につきましても医療機関と連携し、接種率の向上に努めて参ります。令和6年度も国・県の追加接種計画に基づき取り組んで参ります。新型コロナウイルス感染症は昨年5月以降、感染症法上の位置づけが変更され5類に引き下げられました。新型コロナウイルスに係るワクチン接種については、高齢者が年1回の定期予防接種となりますが、引き続き国・県の動向を注視し感染症対策について必要となる情報提供を行うなどしっかり取り組み村民が安心できる環境づくりに努めて参ります。

昨年度から取り組んでいます50歳以上を対象にした帯状疱疹予防接種費用助成事業を継続して実施します。これにより対象者の経済的な負担を軽減し予防接種を受けやすい環境を整えて参ります。

国民健康保険事業につきましては、財政運営の主体が沖縄県になりますが今後も県と連携しながら制度の円滑な運営が行えるよう適切に対応して参ります。

また、国民健康保険事業につきましては医療費負担が年々増加の一途をたどっていることから事業の適正化・健全化を図るため「第2期座間味村国民健康保険データヘルス計画」に基づく生活習慣病対策及び特定保健指導、特に糖尿病等の重症化予防の強化に取り組んで参ります。

後期高齢者医療事業につきましても、高齢者の保険医療と介護予防の一体的実施に取り組み、医療被保険者の健康づくりの支援を行い、医療費の適正化と収納率の向上により財政の健全化に努めて参ります。

歯科診療所につきましては、長年、無歯科医地区となっておりますが、将来の開設に向けて計画策定を検討して参ります。

第4に、「産業の振興について」申し上げます。

 本村のリ−ディング産業である観光業については平成26年度の国立公園指定以降順調に伸びていた観光入域客数は新型コロナウイルス感染症の影響により急激に減少し、これまでにない大きな影響を受けましたが、令和5年の観光入域客数は9万4千人余りとなっており回復傾向に推移しております。

また、既存のイベントについても、屋外ステージ等を活用しながらこれまで以上に創意工夫をこらした各種イベントを企画し開催致します。その他にも、令和4年度に冬季の閑散期の誘客をテーマに作成したPR動画をインタ−ネット広告や各種イベントで配信するとともに、クルーズ船、修学旅行誘致等、村観光協会を軸に各種団体との連携を密にしながらコロナ禍以前の活気ある観光の実現に向けて各種施策を実施して参ります。

また、村商工会とも連携し、観光業復活の一助となる特産品開発への助成等、座間味村の新たな魅力の掘り起こしに取り組んで参ります。

令和6年度におきましても本村観光産業の核となる観光協会の基盤強化に向けて、引き続き問題・課題などの解決に繋がる定期的な議論を行って参ります。

農業につきましては、5年ごとに実施しております農業振興地域の整備計画見直しを令和5年度で完了し、農業振興と地域開発等と調和のとれた農業振興地域の整備ができないか検討して参ります。

また、本村農業の10年後を見据え、担い手を含め、農地の所有者、地域住民も交え話し合いの場を設け、令和6年度で地域計画の策定を行なって参ります。併せて農業委員会による新規就農への支援活動や積極的なアドバイス、営農計画の策定など、農業の振興に向けた仕組み作りを確立し農業の振興を図って参ります。

2024/03/11
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