
外来イノシシについては、令和5年度に引き続き、沖縄県の「指定管理鳥獣捕獲等事業」を活用しながら本村の「有害鳥獣対策事業」を推進することで農作物被害対策を行うとともに、沖縄県と連携し村内からの根絶を目標として事業を進めて参ります。また、村内での捕獲体制を確立するために、「座間味村鳥獣被害防止計画」を令和8年度まで更新し、座間味村鳥獣対策実施隊による捕獲目標を明確にするとともに捕獲従事者の育成に取り組んで参ります。
水産業におきましては、座間味村漁業協同組合と連携し、漁獲物の付加価値向上を図り、ブランド化と安定した需要確保の観点から、ふるさと納税の返礼品としての活用も視野に入れ、特産品開発支援や漁業用餌等の貨物運賃補助、水産物の県外出荷に要する輸送費の一部に対し補助を引き続き行うことで更なる水産業の振興に図って参ります。
阿嘉島のサンゴ種苗生産センターにつきましては、令和5年度に実施した基本計画で活用の方向性を固めております。令和6年度は、地元の雇用や新たな観光産業の創出、第一次産業の発展を目的とし住民の皆様の理解を得ながら基本設計、実施設計を行なって参ります。
これらの施策展開により、村民へ新鮮な農水産物の安定供給ができる仕組みを構築し、第一次産業の魅力向上と農水産業全体の活性化につなげていく所存です。
林業につきましては、令和6年度も引き続き造林事業による除伐、施肥下草刈を行い適正な森林の保全を図って参ります。
畜産業につきましては、現在、子牛の出荷にかかる運賃の、助成等を行っておりますが、新たに、畜産業を活発にするための施策について検討して参ります。
第5に、「施設やインフラ整備について」申し上げます。
これまで船舶利用者の要望の多かった座間味港の係留箇所及びゲストバース整備に向けて住民の合意形成を図り、沖縄県の事業化に向けて調整を進めて参ります。
座間味港タ−ミナルと村営バス停留所に隣接するビジターセンター「青のゆくる館」の出入り口付近まで屋根付き歩道を整備し雨天時や炎天下に影響を受けることなく、また、歩行者と車両のすみわけができ、住民・観光客の安心安全を図って参ります。
阿嘉漁港整備につきましては、令和3年度より航路及び港口の拡幅、また、港内静穏度を確保し定期船の就航率の向上を図るため沖縄県事業において施設を整備し、併せて被災している新港の船上場の改良を行ってまいりました。
また、浮き桟橋後方の駐車場として使用している敷地につきましては、今年度、沖縄県事業で舗装整備を国に予算要望を行っているところであります。
昨年の8月に襲来した台風6号の影響により長期間停電し村民に多大な影響を及ぼしたことを受け、離島における無電柱化推進を国会議員・国・県へ断続的に要請活動を実施した結果、沖縄県の離島を優先的に無電柱化推進する方向性が示されました。それを受け、令和5年度中で「座間味村無電柱化推進計画」を策定しております。令和6年度より幹線道路及び主要施設を経由する無電柱化を事業化し、停電や災害に強い安全で安心できる村づくりを行なって参ります。
道路整備につきましては、村道座間味阿真線の落石対策が急務であることから落石箇所対策及び歩行者の安全・観光資源としての活用を考慮した海側へ歩道移設の検討を令和6年度より進めてまいります。
道路管理の基礎となります道路台帳の電子化を進め、効率的な未買収用地の整理や、電子化された図面を基に村道後原線舗装改修の検討をおこなって参ります。
集落内の道路については、多くの要望がありますが、財政状況を踏まえ、補修計画に沿って補修工事を実施して参ります。
河川の管理については、近年、頻発する大雨の増加、台風の大型化による集中豪雨が懸念されることから、住民の安心安全な生活を確保するため沖縄県へ内川2級河川上流部の整備の要望を既に行っており、早急に着手していただくよう引き続き要請して参ります。
公共交通におきましては、令和3年度よりバス事業の民営化、並びに阿嘉、慶留間の運行実施に向けて協議を行ってまいりましたが実現には至りませんでした。令和6度以降も引き続き協議を重ねて参ります。
第6に、「住宅環境整備について」申し上げます。
住宅環境の整備につきましては、これまでも公営住宅や定住促進住宅を整備したことで、全世帯の入居も決定し一定の成果を収めております。
令和5年度は沖縄振興特定事業推進費を活用した官民連携による新たな住宅整備が完了し令和6年4月より入居開始予定となっております。
公営住宅につきましては、老朽化に伴う修繕に多額の費用を要しており計画的に修繕を行うことでより快適な住居空間の確保に努めます。
第7に、「廃棄物及び環境への取組について」申し上げます。
廃棄物処理につきましては、令和5年2月に完成し運用を開始している資源化施設のリサイクルセンターは、将来にわたって効率的に資源ごみを資源化でき、循環型社会に寄与する施設として稼働しております。
可燃ごみにつきましては、引き続き那覇市・南風原町環境施設組合の協力のもと委託処理を行いますが、令和5年度からは、一部の不燃ごみについても委託処理が可能となりました。さらに処理業務の改善に努め、島内にゴミを貯めない仕組みを構築してまいります。
また、毎年実施している海岸漂着物対策事業につきましては、令和6年度も継続実施し住民及び子どもたちへの「普及啓発・環境教育」も引き続き実施して参ります。
地球温暖化問題において、予想される影響の大きさや深刻さから見て、最も重要な環境問題の一つとされております。
本村においても、地球温暖化対策実行計画を早期に策定し
省エネルギー・省資源などGX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みを推進し、温室効果ガスの排出量の削減を目指します。
また、これまで苦情が多く寄せられています飼い主のいない猫対策については、令和4年度からさくらねこ活動助成金事業を開始いたしました。令和5年11月には、ボランティア・地域住民の協力により、地域猫一斉不妊去勢手術事業で80匹以上の地域猫の不妊去勢手術を実施しております。令和6年度もボランティア団体主導のもと、地域住民や関係機関と連携し、環境改善に努めて参ります。
第8に、「簡易水道事業について」申し上げます。
水道事業については、沖縄県企業局を主とした水道広域化事業において阿嘉・慶留間島で海水淡水化施設が令和3年3月末から運用を開始しており、これまで以上に安心安全で安定した水道供給ができるようになりました。
座間味島においては、現浄水場の老朽化が進み、それに伴う修繕費や維持管理費が年々、増えている状況であります。企業局においては、令和7年4月の広域化に向け、海水淡水化施設から浄水場までの送水管敷設工事及び海水淡水化施設の増強工事を着手しております。まずは、座間味島において1日も早く安心安全な水の安定供給が実現できるよう広域化に向けて協力して参ります。広域化実現後、浄水場の早期建設においても引き続き沖縄県企業局に対し要望して参ります。
管路の布設替えについては、令和6年度は、座間味区の未完了箇所及び阿佐地区の更新工事を行います。
簡易水道事業経営安定化の財源となる水道料金現年分、過年度未収金分の徴収についても引き続き強化を図って参ります。
第9に、「下水道事業について」申し上げます。
下水道事業においてはストックマネジメント計画の取り組みを令和元年度より実施しております。令和5年度より、ストックマネジメント計画は第2期に入り、令和6年度は、座間味浄化センターの老朽化に伴う機器等の改築更新を行います。
阿嘉・慶留間地区の集落排水においては、昨年度に引き続き沖縄県で進めております汚水処理事業の広域化を視野にいれ管理運営について検討を行っているところです。また、阿嘉地区にあります漁業集落排水処理場においては、令和5年度に施設内の機械の一部老朽化に伴い整備を行いました。引き続き安定的に処理できるよう日頃の点検等適切な施設管理を行参ります。
接続率の向上に関してもすべての地区において啓蒙活動を行うとともに、下水道事業経営安定化の財源となる使用料の徴収に関しても強化を図って参ります。
第10に、「航路事業について」申し上げます。
航路事業につきましては、令和5年の観光入域客数は9万4千人あまりとなりコロナ禍以前の入域数まで回復しております。
しかし、近年の社会情勢による燃料価格、原材料価格の高騰により経営面におきましては厳しい状況が続いています。
船舶燃料の調達については、一般競争入札による調達を検討してまいります。
平成21年度に就航しました「村内航路みつしま」は、耐用年数が過ぎ、船体の老朽化がすすんでおり新造船の建造が急務でしたが、令和5年度「沖縄離島活性化推進事業費」を活用し定員30名の新造船が令和6年4月より就航いたします。
那覇出張所に関しましては、令和5年度より窓口チケット販売、電話予約業務等をアウトソ−シングし、民間企業の有する専門性と機動力・ノウハウを生かし質の高いサ−ビスの提供をおり、引き続き、現金管理及び取扱いのより一層の強化を図っております。
令和4年度から取り組んでいる観光客の入域の通年平準化を目標にとした事業として、冬季船舶運賃低減化実証実験を行います。
4月より新たにCIRを招聘し、外国人への船舶窓口対応やインバウンドの増加に向けて柔軟に対応できるよう努めて参ります。
令和6年度も航路事業の更なるサービスの向上に努めるとともに、航海安全を第一に、村観光協会や他の組織との連携を図り利用者の増加につながる取組を行って参ります。
座間味島のバス事業につきましては、公共交通機関として村営バスが運行しており観光客の輸送や村民の利用に対応しております。
昨年度購入しました大型バスを活用し村民・観光客の移動手段として、安定した輸送体制を確保してまいります。
阿嘉・慶留間の運行につきましては、大型二種免許保持者の確保や大型二種免許保持者以外でも運行できないか、関係機関と調整してまいります。
第11に、「消防・防災について」申し上げます。
近年、様々な大規模災害が発生している中、防災力の向上、防災体制の確立は喫緊の課題であります。令和5年度に更新いたしました「座間味村地域防災計画」に基づく各種計画の策定や各種施策を展開して参ります。
防災無線につきましては、導入から10年以上が経過し、経年劣化に伴う故障時の復旧作業に係る時間や予算の増大が課題となっております。災害時のみならず平時においても村内の重要な情報発信のツールとなっていることから国内外からの観光客も考慮した更新整備について検討して参ります。
令和5年度より新たな取り組みとして防災士の資格取得に対する支援を実施させていただいております。地域に新しい防災リーダーがいることで、自助・共助・協働の取り組みを住民に広め災害時に連携して対応できるよう災害に強い村作りを進めて参ります。
第12に、「教育について」申し上げます。
本村の教育大綱では、島の宝である子供たちを、家庭、地域、学校、行政が一体となって慈しみ郷土への愛を育てることと、大人も子供も学び合う「ひとづくり」の島を掲げています。
また、“知”=確かな学力、“徳”=豊かな心、そして“体”=健やかな体、の調和により「生きる力」をつけることを基本方針としています。
令和6年度から、学校授業日における児童・生徒の新しい学び方・休み方の制度として、座間味村児童・生徒家庭学習休暇制度「ざまやすみ」を導入致します。
本村では、観光業などの第3次産業就業者が9割を超え、休日など学校休業日が繁忙期と重なることで家族そろって島外への旅行などが難しい現状があります。このような状況に鑑み、児童・生徒の学校授業日における休暇取得を推奨し、家族で過ごす時間の確保や遠方への旅行を通して、学校内では経験できない体験によって子どもたちの心身の成長へつなげて頂く取り組みとして制定しました。また、座間味港緑地公園の照明設備を新しくLED対応の照明設備が、間もなく完成いたします。緑地公園の定期的な夜間無料開放や健康増進事業(健康教室)などを実施してまいります。さらに、平成29年度から取り組んでおります、座間味村戦跡及び戦争記念碑等環境整備事業については、令和6年度に平和の塔進入路の整備を計画しており、これにより全ての事業が完了いたします。完了に伴い、今後、村内の戦跡マップの作成及び戦争語りべの人材育成事業等を、関係団体等と連携し修学旅行等の平和教育の利活用にむけ調整をしてまいります。
学校教育につきましては、新たに教職員間の情報共有に不可欠な、校務支援ツールを導入し、学校経営の取り組みを支援してまいります。また、令和2年度より開始しました、GIGAスクール構想においての授業をより活用するため、主要教科の学習用デジタルドリルを取り入れると共に、オンライン学習サポート国際交流事業等、多様な学習機会を提供することで児童生徒の学習意欲を高め、自主的に取り組む事ができる学習環境を整えていけるよう取り組んでまいります。
全国学力・学習状況調査については、本村の特性である少人数学級を活かした教育体制を通して、児童生徒に細やかな教育活動を実施し、健全育成と学力向上を目指します。
村長部局と協同で実施する療育相談事業については、専門相談員を委託配置し、定期的に相談事業や、教職員向けの研修を行うことで、支援を必要とする児童生徒への切れ目ないサポートを実施し、安心して学校生活を送れるよう引き続き環境づくりに努めてまいります。
社会教育につきましては、子どもたちが広い視野を持ち、郷土愛を育み、未来の座間味村を担う人づくりの為、嬬恋村交流事業、ホームステイ等の海外交流事業を引き続き実施してまいります。また、村民の皆様においては、充実した社会教育活動が実施できるよう、生涯学習教室の開催を計画してまいります。