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施政方針

2024/3/11

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令和6年度施政方針

1 はじめに

施政方針を述べるにあたり1月1日に発生した能登半島地震においてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。

本日、令和6年第1回座間味村議会定例会の開会にあたり、令和6年度の予算をはじめとする諸議案など、村政運営に対する私の基本的な考え方について申し述べる機会を賜り、お礼を申し上げます。

平成21年6月に村民の皆様の負託を受け村長に就任して以降、4期目の村政運営のかじ取りをお任せいただき、今年の5月末には村長就任後15年が過ぎようとしています。村政への御理解・御協力に対し、村民の皆様には改めて感謝申し上げるとともに、引き続き村政の発展のために取り組んで参る所存です。

私は、村長に就任以来、行財政改革をはじめ、子育て支援や住民福祉の向上、観光を中心とする産業の振興等による定住促進を村政の柱に議員の皆様のご協力のもと取り組んで参りました。

令和2年国勢調査結果では人口892人と平成27年の国勢調査結果と比較して22人の人口増となり、微増ではありますが施策展開により一定の成果が上がってきたものと認識しています。厳しい村財政を支える財政調整基金におきましては就任当時約2千万円でありましたが、本年度末までには約6億6千万円まで積み立て回復する事ができました。また、20億円以上の公債費残高においても13億円まで圧縮できましたが、近年の厳しい財政状況を踏まえ、引き続き行財政の改革に努めてまいります。

令和6年度においては、村政運営の基本となる「座間味村第五次総合計画」や令和3年度に策定した「第2期座間味村人口ビジョン・総合戦略」等の各種計画に基づき、各種施策に積極的に取り組み、様々な行政課題の解決に向け、職員と共に村政発展に努めて参ります。

「村政運営の基本姿勢について」申し上げます。

本村は島ちゃびの解消による「定住促進」、観光産業を中心とした「産業の活性化」、そして「行財政改革」を村政運営の柱としております。

定住促進においては、一括交付金事業及びハード交付金事業等の活用にて多用途住宅、定住促進住宅の建築により一定の成果を見せており沖縄振興特定事業推進費を活用した民間事業者との協働による新たな住宅整備事業が完了し、4月より入居開始となる予定です。今後も住民のニーズや人口の動向も注視しながら住宅整備を検討しつつ、農業や水産業の基盤を整えることで就労の機会を増やすことに加えて、子育て支援、住民福祉の向上に取り組み、定住促進につなげて参ります。

産業の活性化に関しましては、コロナ禍を経て、多様化するニーズを踏まえた、産業振興が急務であるとの認識のもと、国や県と連携し、切れ目のない公平感のある各種施策を引き続き展開して参ります。

また、一次産業の活性化は、リーディング産業である観光産業と融合することにより新たな産業を形成し活性化するとの基本的な考え方のもと、農業や水産業の基盤整備にも注力して参ります。

観光産業に関する取組については、DMOの認定を受けた座間味村観光協会や環境省と連携しながら国立公園にふさわしい施設整備を進めて行く一方、持続可能な観光地づくりに向けて自然環境や集落環境保全を取り入れた景観計画条例や平成30年度に策定した観光振興計画に基づいた各種施策に取り組んで参ります。

各種施策の推進にあたっては、既存の補助事業の活用と併せて沖縄振興特別推進交付金事業等を活用し、インフラの整備や平和の発信と後世へ史実継承のため戦跡整備事業についてもしっかりと取り組むなど座間味村の一層の発展につながる施策展開を図って参ります。

国においてはデジタル手続法が施行され、行政手続の原則オンライン化が順次進められており、デジタル化の動きは急加速しております。

本村においても、「自治体DX推進計画」を策定し、情報システムの標準化・共通化、マイナンバーカードの普及促進、自治体の行政手続きのオンライン化などの目標を掲げ、住民サービスの向上や産業の振興を図ることで持続可能な自治体経営が行えるよう取り組んで参ります。

また、新型コロナウイルス感染症においては、昨年5月に5類へと移行し、様々な制限が無くなりましたが、近年の物価高騰等を踏まえ引き続き、低所得者層や子育て支援など国、県等の方針を踏まえながら各種対策に取り組んで参ります。

令和6年度も引き続き住民の安心安全は基より、教育環境の充実や産業の振興にも積極的に取り組むとともに、観光客の皆様を安心して迎え入れられる体制づくりに全力で対応して参ります。

以上の基本姿勢に基づき調整した令和6年度当初予算は、特別会計及び企業会計を含め31億4千万円余りと予算規模が非常に大きくなっており、令和6年度予算においてもその財源の確保に苦慮する厳しい予算編成となりました。全ての経費について、徹底した見直しを図り、無駄を排除するとともに、公正公平な税負担や収納対策の強化や新たな財源の確保を検討するなどにより行財政運営を行って参ります。

また、本村の懸案事項である阿嘉島への駐在所の設置や港湾整備等についても引き続き国や県に支援を求めて参ります。 

2 「主要施策の概要」について申し上げます。

第1に、「行政一般について」申し上げます。

定住促進とあわせて安定的な人口の増加は行政サービスの維持や学校運営等にとって重要な要素であります。

平成24年度から始まりました沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)につきましては、令和4年に沖縄振興特別措置法等の一部が改正され、令和4年度以降についても10年間継続することが決定されました。引き続き一括交付金を活用して島ちゃびの解消等につながる各種事業を継続して実施し、村民の更なる生活環境の充実を図るとともに、本村を訪れる観光客の増加ならびに満足度向上に向けた事業等に積極的に取り組んで参ります。

行政運営においては行政職員の人材育成は進んできたものの、近年、新たな職員の採用が非常に厳しい状況を迎えていることから、令和4年度から参画している「沖縄県離島町村職員採用共同試験」を活用するとともに、包括連携協定を結んでいるおきなわフィナンシャルグループをはじめ、民間企業からの外部登用による人材確保を図りながら職員の働き方改革、スキルアップ研修などを実施し、魅力ある職場づくりに努めるとともに複雑化する住民サービスに対しきめ細やかに対応できるように阿嘉・慶留間出張所の職員を増員し各島へのニーズに応じたサービスの強化に取り組んで参ります。

また、村の財源の要となる税等の徴収率向上やふるさと納税を広く呼びかけ、財源の確保に努めて参りますが、年度途中においても現予算のスクラップアンドビルドによる見直し作業を行うなど、厳しい財政状況を全職員一丸となり乗り切るよう取り組んで参ります。

公営企業におきましては、国から求められていた経営状況の適確な把握が可能となる地方公営企業法の適用を令和3年度より準備を進めて参りました。令和6年4月1日よりこれまでの「単式簿記」の官庁会計から「複式簿記」の企業会計へ移行となります。地方公営企業法の適用により、経営状況を把握することで経営基盤の強化に努めて参ります。

更に、令和5年度に策定いたしました中長期財政計画を活用し、持続可能な座間味村の発展と誰一人取り残さない社会づくりの実現に取り組んでまいります。

第2に、「福祉サービスについて」申し上げます。

 福祉サービスにつきましては、令和5年度策定の「高齢者保健福祉計画」・「障害者福祉計画」に基づき、高齢者や障害者への福祉施策とあわせて、子育て支援等についても現計画に基づいた、「一人ひとりに寄り添い、必要に応じた福祉サービス」が提供できるよう、各種計画を着実に推進して参ります。 

高齢者支援につきましては、コロナ禍が明け高齢者の皆様の集まる機会等が元に戻り、いこいの広場や専門の理学療法士によるリハビリテーション活動等の支援事業を実施しております。令和6年度も高齢者一人ひとりが、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます。

 障害者支援につきましては、これまでの国の指針や社会情勢、村の障害者・障害児及び地域福祉の方向性等をふまえ、施策の更なる推進を図るとともに、障害福祉サービスや医療費助成を継続して実施し、「地域共生社会の実現」、「自分らしさ」、「誰ひとり取り残さない」を理念とし安心して家庭や地域で暮らすことができる環境づくりに取り組んで参ります。

 これらの施策を実現するため、本村では、重度心身障害者の方に対する医療費助成や専門性の高い治療や福祉サービスを受ける為、島外への通院等が必要な方に対し船舶運賃及び宿泊費の一部を助成する事業等を引き続き実施して参ります。

令和6年度も村社会福祉協議会や各診療所、座間味偕生園及びサテライト阿嘉偕生園と連携を図りながら、より質の高い幅広い住民福祉サービスを皆様に提供できるよう、福祉施策の充実・拡充に引き続き取り組んで参ります。 

子育て支援につきましては、昨年度より「子育て世代包括支援センター」を設置しており、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行っております。令和6年度の取組として妊産婦向けのイベントを定期的に開催し、情報交換や支援の場を提供いたします。

将来を担う子どもたちの特性に合わせた療育相談の実施については、村教育委員会と緊密に連携し家庭支援の充実を図ります。

令和7年度には「第3期座間味村子ども・子育て支援事業計画」が策定されるため、「子どもが輝き、地域が元気づく座間味村」の基本理念のもと計画準備の推進に務めて参ります。

各種健診・母子事業の周知事項は今後もSNSを通じて発信し、子育て情報を常時取得できるサービスを推進して参ります。

また、妊産婦健診にかかる船賃補助事業、産婦健診受診のための補助事業、出産助成金の支給、こども医療費の現物給付など引き続き子育てに特化した支援を行って参ります。

保育事業につきましては、子育て支援員の方々や村内民間保育所と連携を図り子育て世帯の支援を行って参ります。

第3に、「保健・医療について」申し上げます。

 保健・医療につきましては、「村民の健康づくり」のため、医療・保健・福祉の連携強化を図り、特定健診並びに各種がん検診の受診率の向上に努め生活習慣病予防対策に取り組むとともに、その他、感染症の予防接種につきましても医療機関と連携し、接種率の向上に努めて参ります。令和6年度も国・県の追加接種計画に基づき取り組んで参ります。新型コロナウイルス感染症は昨年5月以降、感染症法上の位置づけが変更され5類に引き下げられました。新型コロナウイルスに係るワクチン接種については、高齢者が年1回の定期予防接種となりますが、引き続き国・県の動向を注視し感染症対策について必要となる情報提供を行うなどしっかり取り組み村民が安心できる環境づくりに努めて参ります。

昨年度から取り組んでいます50歳以上を対象にした帯状疱疹予防接種費用助成事業を継続して実施します。これにより対象者の経済的な負担を軽減し予防接種を受けやすい環境を整えて参ります。

国民健康保険事業につきましては、財政運営の主体が沖縄県になりますが今後も県と連携しながら制度の円滑な運営が行えるよう適切に対応して参ります。

また、国民健康保険事業につきましては医療費負担が年々増加の一途をたどっていることから事業の適正化・健全化を図るため「第2期座間味村国民健康保険データヘルス計画」に基づく生活習慣病対策及び特定保健指導、特に糖尿病等の重症化予防の強化に取り組んで参ります。

後期高齢者医療事業につきましても、高齢者の保険医療と介護予防の一体的実施に取り組み、医療被保険者の健康づくりの支援を行い、医療費の適正化と収納率の向上により財政の健全化に努めて参ります。

歯科診療所につきましては、長年、無歯科医地区となっておりますが、将来の開設に向けて計画策定を検討して参ります。

第4に、「産業の振興について」申し上げます。

 本村のリ-ディング産業である観光業については平成26年度の国立公園指定以降順調に伸びていた観光入域客数は新型コロナウイルス感染症の影響により急激に減少し、これまでにない大きな影響を受けましたが、令和5年の観光入域客数は9万4千人余りとなっており回復傾向に推移しております。

また、既存のイベントについても、屋外ステージ等を活用しながらこれまで以上に創意工夫をこらした各種イベントを企画し開催致します。その他にも、令和4年度に冬季の閑散期の誘客をテーマに作成したPR動画をインタ-ネット広告や各種イベントで配信するとともに、クルーズ船、修学旅行誘致等、村観光協会を軸に各種団体との連携を密にしながらコロナ禍以前の活気ある観光の実現に向けて各種施策を実施して参ります。

また、村商工会とも連携し、観光業復活の一助となる特産品開発への助成等、座間味村の新たな魅力の掘り起こしに取り組んで参ります。

令和6年度におきましても本村観光産業の核となる観光協会の基盤強化に向けて、引き続き問題・課題などの解決に繋がる定期的な議論を行って参ります。

農業につきましては、5年ごとに実施しております農業振興地域の整備計画見直しを令和5年度で完了し、農業振興と地域開発等と調和のとれた農業振興地域の整備ができないか検討して参ります。

また、本村農業の10年後を見据え、担い手を含め、農地の所有者、地域住民も交え話し合いの場を設け、令和6年度で地域計画の策定を行なって参ります。併せて農業委員会による新規就農への支援活動や積極的なアドバイス、営農計画の策定など、農業の振興に向けた仕組み作りを確立し農業の振興を図って参ります。

外来イノシシについては、令和5年度に引き続き、沖縄県の「指定管理鳥獣捕獲等事業」を活用しながら本村の「有害鳥獣対策事業」を推進することで農作物被害対策を行うとともに、沖縄県と連携し村内からの根絶を目標として事業を進めて参ります。また、村内での捕獲体制を確立するために、「座間味村鳥獣被害防止計画」を令和8年度まで更新し、座間味村鳥獣対策実施隊による捕獲目標を明確にするとともに捕獲従事者の育成に取り組んで参ります。

水産業におきましては、座間味村漁業協同組合と連携し、漁獲物の付加価値向上を図り、ブランド化と安定した需要確保の観点から、ふるさと納税の返礼品としての活用も視野に入れ、特産品開発支援や漁業用餌等の貨物運賃補助、水産物の県外出荷に要する輸送費の一部に対し補助を引き続き行うことで更なる水産業の振興に図って参ります。

阿嘉島のサンゴ種苗生産センターにつきましては、令和5年度に実施した基本計画で活用の方向性を固めております。令和6年度は、地元の雇用や新たな観光産業の創出、第一次産業の発展を目的とし住民の皆様の理解を得ながら基本設計、実施設計を行なって参ります。

 これらの施策展開により、村民へ新鮮な農水産物の安定供給ができる仕組みを構築し、第一次産業の魅力向上と農水産業全体の活性化につなげていく所存です。

林業につきましては、令和6年度も引き続き造林事業による除伐、施肥下草刈を行い適正な森林の保全を図って参ります。

畜産業につきましては、現在、子牛の出荷にかかる運賃の、助成等を行っておりますが、新たに、畜産業を活発にするための施策について検討して参ります。

第5に、「施設やインフラ整備について」申し上げます。

 これまで船舶利用者の要望の多かった座間味港の係留箇所及びゲストバース整備に向けて住民の合意形成を図り、沖縄県の事業化に向けて調整を進めて参ります。

座間味港タ-ミナルと村営バス停留所に隣接するビジターセンター「青のゆくる館」の出入り口付近まで屋根付き歩道を整備し雨天時や炎天下に影響を受けることなく、また、歩行者と車両のすみわけができ、住民・観光客の安心安全を図って参ります。

阿嘉漁港整備につきましては、令和3年度より航路及び港口の拡幅、また、港内静穏度を確保し定期船の就航率の向上を図るため沖縄県事業において施設を整備し、併せて被災している新港の船上場の改良を行ってまいりました。

また、浮き桟橋後方の駐車場として使用している敷地につきましては、今年度、沖縄県事業で舗装整備を国に予算要望を行っているところであります。

昨年の8月に襲来した台風6号の影響により長期間停電し村民に多大な影響を及ぼしたことを受け、離島における無電柱化推進を国会議員・国・県へ断続的に要請活動を実施した結果、沖縄県の離島を優先的に無電柱化推進する方向性が示されました。それを受け、令和5年度中で「座間味村無電柱化推進計画」を策定しております。令和6年度より幹線道路及び主要施設を経由する無電柱化を事業化し、停電や災害に強い安全で安心できる村づくりを行なって参ります。

道路整備につきましては、村道座間味阿真線の落石対策が急務であることから落石箇所対策及び歩行者の安全・観光資源としての活用を考慮した海側へ歩道移設の検討を令和6年度より進めてまいります。

道路管理の基礎となります道路台帳の電子化を進め、効率的な未買収用地の整理や、電子化された図面を基に村道後原線舗装改修の検討をおこなって参ります。

集落内の道路については、多くの要望がありますが、財政状況を踏まえ、補修計画に沿って補修工事を実施して参ります。

河川の管理については、近年、頻発する大雨の増加、台風の大型化による集中豪雨が懸念されることから、住民の安心安全な生活を確保するため沖縄県へ内川2級河川上流部の整備の要望を既に行っており、早急に着手していただくよう引き続き要請して参ります。

 公共交通におきましては、令和3年度よりバス事業の民営化、並びに阿嘉、慶留間の運行実施に向けて協議を行ってまいりましたが実現には至りませんでした。令和6度以降も引き続き協議を重ねて参ります。

第6に、「住宅環境整備について」申し上げます。

 住宅環境の整備につきましては、これまでも公営住宅や定住促進住宅を整備したことで、全世帯の入居も決定し一定の成果を収めております。

令和5年度は沖縄振興特定事業推進費を活用した官民連携による新たな住宅整備が完了し令和6年4月より入居開始予定となっております。

公営住宅につきましては、老朽化に伴う修繕に多額の費用を要しており計画的に修繕を行うことでより快適な住居空間の確保に努めます。

第7に、「廃棄物及び環境への取組について」申し上げます。

廃棄物処理につきましては、令和5年2月に完成し運用を開始している資源化施設のリサイクルセンターは、将来にわたって効率的に資源ごみを資源化でき、循環型社会に寄与する施設として稼働しております。

可燃ごみにつきましては、引き続き那覇市・南風原町環境施設組合の協力のもと委託処理を行いますが、令和5年度からは、一部の不燃ごみについても委託処理が可能となりました。さらに処理業務の改善に努め、島内にゴミを貯めない仕組みを構築してまいります。

また、毎年実施している海岸漂着物対策事業につきましては、令和6年度も継続実施し住民及び子どもたちへの「普及啓発・環境教育」も引き続き実施して参ります。

地球温暖化問題において、予想される影響の大きさや深刻さから見て、最も重要な環境問題の一つとされております。

 本村においても、地球温暖化対策実行計画を早期に策定し

省エネルギー・省資源などGX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みを推進し、温室効果ガスの排出量の削減を目指します。

また、これまで苦情が多く寄せられています飼い主のいない猫対策については、令和4年度からさくらねこ活動助成金事業を開始いたしました。令和5年11月には、ボランティア・地域住民の協力により、地域猫一斉不妊去勢手術事業で80匹以上の地域猫の不妊去勢手術を実施しております。令和6年度もボランティア団体主導のもと、地域住民や関係機関と連携し、環境改善に努めて参ります。

第8に、「簡易水道事業について」申し上げます。

水道事業については、沖縄県企業局を主とした水道広域化事業において阿嘉・慶留間島で海水淡水化施設が令和3年3月末から運用を開始しており、これまで以上に安心安全で安定した水道供給ができるようになりました。

座間味島においては、現浄水場の老朽化が進み、それに伴う修繕費や維持管理費が年々、増えている状況であります。企業局においては、令和7年4月の広域化に向け、海水淡水化施設から浄水場までの送水管敷設工事及び海水淡水化施設の増強工事を着手しております。まずは、座間味島において1日も早く安心安全な水の安定供給が実現できるよう広域化に向けて協力して参ります。広域化実現後、浄水場の早期建設においても引き続き沖縄県企業局に対し要望して参ります。

管路の布設替えについては、令和6年度は、座間味区の未完了箇所及び阿佐地区の更新工事を行います。

簡易水道事業経営安定化の財源となる水道料金現年分、過年度未収金分の徴収についても引き続き強化を図って参ります。

第9に、「下水道事業について」申し上げます。

 下水道事業においてはストックマネジメント計画の取り組みを令和元年度より実施しております。令和5年度より、ストックマネジメント計画は第2期に入り、令和6年度は、座間味浄化センターの老朽化に伴う機器等の改築更新を行います。

阿嘉・慶留間地区の集落排水においては、昨年度に引き続き沖縄県で進めております汚水処理事業の広域化を視野にいれ管理運営について検討を行っているところです。また、阿嘉地区にあります漁業集落排水処理場においては、令和5年度に施設内の機械の一部老朽化に伴い整備を行いました。引き続き安定的に処理できるよう日頃の点検等適切な施設管理を行参ります。

接続率の向上に関してもすべての地区において啓蒙活動を行うとともに、下水道事業経営安定化の財源となる使用料の徴収に関しても強化を図って参ります。

第10に、「航路事業について」申し上げます。

 航路事業につきましては、令和5年の観光入域客数は9万4千人あまりとなりコロナ禍以前の入域数まで回復しております。

しかし、近年の社会情勢による燃料価格、原材料価格の高騰により経営面におきましては厳しい状況が続いています。

船舶燃料の調達については、一般競争入札による調達を検討してまいります。

平成21年度に就航しました「村内航路みつしま」は、耐用年数が過ぎ、船体の老朽化がすすんでおり新造船の建造が急務でしたが、令和5年度「沖縄離島活性化推進事業費」を活用し定員30名の新造船が令和6年4月より就航いたします。

那覇出張所に関しましては、令和5年度より窓口チケット販売、電話予約業務等をアウトソ-シングし、民間企業の有する専門性と機動力・ノウハウを生かし質の高いサ-ビスの提供をおり、引き続き、現金管理及び取扱いのより一層の強化を図っております。

令和4年度から取り組んでいる観光客の入域の通年平準化を目標にとした事業として、冬季船舶運賃低減化実証実験を行います。

4月より新たにCIRを招聘し、外国人への船舶窓口対応やインバウンドの増加に向けて柔軟に対応できるよう努めて参ります。

令和6年度も航路事業の更なるサービスの向上に努めるとともに、航海安全を第一に、村観光協会や他の組織との連携を図り利用者の増加につながる取組を行って参ります。

座間味島のバス事業につきましては、公共交通機関として村営バスが運行しており観光客の輸送や村民の利用に対応しております。

昨年度購入しました大型バスを活用し村民・観光客の移動手段として、安定した輸送体制を確保してまいります。

阿嘉・慶留間の運行につきましては、大型二種免許保持者の確保や大型二種免許保持者以外でも運行できないか、関係機関と調整してまいります。

第11に、「消防・防災について」申し上げます。

 近年、様々な大規模災害が発生している中、防災力の向上、防災体制の確立は喫緊の課題であります。令和5年度に更新いたしました「座間味村地域防災計画」に基づく各種計画の策定や各種施策を展開して参ります。

 防災無線につきましては、導入から10年以上が経過し、経年劣化に伴う故障時の復旧作業に係る時間や予算の増大が課題となっております。災害時のみならず平時においても村内の重要な情報発信のツールとなっていることから国内外からの観光客も考慮した更新整備について検討して参ります。

 令和5年度より新たな取り組みとして防災士の資格取得に対する支援を実施させていただいております。地域に新しい防災リーダーがいることで、自助・共助・協働の取り組みを住民に広め災害時に連携して対応できるよう災害に強い村作りを進めて参ります。

第12に、「教育について」申し上げます。

 本村の教育大綱では、島の宝である子供たちを、家庭、地域、学校、行政が一体となって慈しみ郷土への愛を育てることと、大人も子供も学び合う「ひとづくり」の島を掲げています。

また、“知”=確かな学力、“徳”=豊かな心、そして“体”=健やかな体、の調和により「生きる力」をつけることを基本方針としています。

令和6年度から、学校授業日における児童・生徒の新しい学び方・休み方の制度として、座間味村児童・生徒家庭学習休暇制度「ざまやすみ」を導入致します。

本村では、観光業などの第3次産業就業者が9割を超え、休日など学校休業日が繁忙期と重なることで家族そろって島外への旅行などが難しい現状があります。このような状況に鑑み、児童・生徒の学校授業日における休暇取得を推奨し、家族で過ごす時間の確保や遠方への旅行を通して、学校内では経験できない体験によって子どもたちの心身の成長へつなげて頂く取り組みとして制定しました。また、座間味港緑地公園の照明設備を新しくLED対応の照明設備が、間もなく完成いたします。緑地公園の定期的な夜間無料開放や健康増進事業(健康教室)などを実施してまいります。さらに、平成29年度から取り組んでおります、座間味村戦跡及び戦争記念碑等環境整備事業については、令和6年度に平和の塔進入路の整備を計画しており、これにより全ての事業が完了いたします。完了に伴い、今後、村内の戦跡マップの作成及び戦争語りべの人材育成事業等を、関係団体等と連携し修学旅行等の平和教育の利活用にむけ調整をしてまいります。

学校教育につきましては、新たに教職員間の情報共有に不可欠な、校務支援ツールを導入し、学校経営の取り組みを支援してまいります。また、令和2年度より開始しました、GIGAスクール構想においての授業をより活用するため、主要教科の学習用デジタルドリルを取り入れると共に、オンライン学習サポート国際交流事業等、多様な学習機会を提供することで児童生徒の学習意欲を高め、自主的に取り組む事ができる学習環境を整えていけるよう取り組んでまいります。

全国学力・学習状況調査については、本村の特性である少人数学級を活かした教育体制を通して、児童生徒に細やかな教育活動を実施し、健全育成と学力向上を目指します。

村長部局と協同で実施する療育相談事業については、専門相談員を委託配置し、定期的に相談事業や、教職員向けの研修を行うことで、支援を必要とする児童生徒への切れ目ないサポートを実施し、安心して学校生活を送れるよう引き続き環境づくりに努めてまいります。

社会教育につきましては、子どもたちが広い視野を持ち、郷土愛を育み、未来の座間味村を担う人づくりの為、嬬恋村交流事業、ホームステイ等の海外交流事業を引き続き実施してまいります。また、村民の皆様においては、充実した社会教育活動が実施できるよう、生涯学習教室の開催を計画してまいります。

幼稚園教育につきましては、「3年保育」の安定した実施とともに、国・県の補助金を活用した「預かり保育事業」を行います。また、継続事業である村出身の高校生を対象とした、年4回の船舶運賃を補助する村の事業や、国・県の補助金を活用した児童生徒の各種大会派遣費については、船舶運賃や車両運賃等の渡航費を助成し、保護者負担の軽減と併せて学習意欲を高める環境づくりに引き続き努めてまいります。

学校施設整備につきましては、定期的な調査や各校からの聞き取りを通して危険個所から優先的に改修修繕を行います。

老朽化している給食共同調理場におきましては、「食の複合施設」の整備について村長部局と協議してまいります。


 以上、令和6年度の主要施策を申し上げました。

これらの施策をより的確かつ効果的に展開できるよう、令和6年度当初予算については、

 

一般会計において、 17億7,663万4千円

特別会計において、  2億884万9千円

企業会計において、 11億5,653万円

総額は、  31億4,201万3千円となっております。

終わりに、村議会をはじめ、村民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、私の令和6年度の施政方針といたします。

 

 令和6年3月8日

 座間味村長 宮 里  哲