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施政方針

2023/3/20

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令和5年度施政方針

1 はじめに

 本日、令和5年第1回座間味村議会定例会の開会にあたり、令和5年度の予算をはじめとする諸議案など、村政運営に対する私の基本的な考え方について申し述べる機会を賜り、お礼を申し上げます。

 平成21年6月に村民の皆様の負託を受け村長に就任して以降、4期目の村政運営のかじ取りをお任せいただき、今年の5月末には村長就任後14年が過ぎようとしています。村政への御理解・御協力に対し、村民の皆様には改めて感謝申し上げるとともに、引き続き村政の発展のために取り組んで参る所存です。

 まず始めに、令和3年度には本村元職員による公金横領が発覚し、刑事告訴を行っておりましたが、業務上横領の罪により先日懲役3年の刑が求刑されました。行政に対する村民の皆様の信頼を損ねたことに対し、この場を借りて改めて深くお詫びを申し上げます。本村におきましては、これまで職員研修の実施や公金取扱いマニュアルの作成、船舶予約システムの改修や外部人材の登用等、再発防止に向けて取り組んでまいりました。令和5年度は新たに那覇事務所のアウトソーシングの実施を予定しており、引き続き再発防止及び信頼回復に向けて行政一丸となって努めて参りますので、議員各位をはじめ皆様方のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 私は、村長に就任以来、行財政改革をはじめ、子育て支援や住民福祉の向上、観光を中心とする産業の振興等による定住促進を村政の柱に議員の皆様のご協力のもと取り組んで参りました。

 令和2年国勢調査結果では人口892人と平成27年の国勢調査結果と比較して22人の人口増となり、微増ではありますが施策展開により一定の成果が上がってきたものと認識しており、厳しい村財政を支える財政調整基金におきましては就任当時約2千万円でありましたが、本年度末までには約5億円まで積み立て回復する事ができました。また、20億円以上の公債費残高においても12億円まで圧縮したものの、近年の厳しい財政状況を踏まえ、引き続き行財政の改革に努めてまいります。

 令和5年度においては、本議会に議案を上程させていただく村政運営の基本となる「座間味村第五次総合計画」や令和3年度に策定した「第2期座間味村人口ビジョン・総合戦略」等の各種計画に基づき、各種施策に積極的に取り組み、引き続きアフターコロナ対策を始めとする様々な行政課題の解決に向け、職員と共に村政発展に努めて参ります。

「村政運営の基本姿勢について」申し上げます。

 本村は島ちゃびの解消による「定住促進」、観光産業を中心とした「産業の活性化」、そして「行財政改革」を村政運営の柱としております。

 定住促進においては、一括交付金事業及びハード交付金事業等の活用にて多用途住宅、定住促進住宅の建築により一定の成果を見せておりますが、それでも今なお不足する住宅環境において沖縄振興特定事業推進費を活用した民間事業者との協働による新たな住宅整備へ着手するとともに、農業や水産業の基盤を整えることで就労の機会を増やすことに加えて、子育て支援、住民福祉の向上に取り組み、定住促進につなげて参ります。

 産業の活性化に関しましては、コロナ禍で疲弊した産業の立て直しが急務であるとの認識のもと、国や県と連携し、切れ目のない公平感のある各種施策を引き続き展開して参ります。

 また、一次産業の活性化は、リーディング産業である観光産業とリンクすることでその需要も伸び活性化するとの基本的な考え方のもと、イノシシ対策をはじめ農業や水産業の基盤整備にも注力して参ります。

 観光産業に関する取組については、DMOの認定を受けた座間味村観光協会や環境省と連携しながら国立公園にふさわしい施設整備を進めて行く一方、持続可能な観光地づくりに向けて自然環境や集落環境保全を取り入れた景観計画条例や平成30年度に策定した観光振興計画に基づいた各種施策に取り組んで参ります。

 各種施策の推進にあたっては、既存の補助事業の活用と併せて沖縄振興特別推進交付金事業等を活用し、学校施設の整備や平和の発信と後世へ史実継承のため戦跡整備事業についてもしっかりと取り組むなど座間味村の一層の発展につながる施策展開を図って参ります。

 更に国においてはデジタル手続法が施行され、行政手続の原則オンライン化が順次進められており、デジタル化の動きは急加速しております。

 本村においても、デジタルの優位性を最大限に活用し、住民サービスの向上や産業の振興を図ることで持続可能な自治体経営が行えるよう取り組んで参ります。

 また、新型コロナウイルス感染症については、3月13日よりマスクの着用が個人の判断に委ねられる他、5月には感染症法上の位置付けが5類へと移行する方針となっています。国、県等の方針を踏まえながらアフターコロナを見据えた各種対策に取り組んで参ります。令和5年度も引き続き住民の安心安全は基より、教育環境の充実や産業の振興にも積極的に取り組むとともに、観光客の皆様を安心して迎え入れられる体制づくりに全力で対応して参ります。

 以上の基本姿勢に基づき調整した令和5年度当初予算は、特別会計を含め27億5千万円余りと予算規模が非常に大きくなっており、令和5年度予算においてもその財源の確保に苦慮する厳しい予算編成となりました。全ての経費について、徹底した見直しを図り、無駄を排除するとともに、公正公平な税負担や収納対策の強化、法定外目的税「美ら島税」による財源の確保などにより行財政運営を行って参ります。

 また、本村の懸案事項である阿嘉島への駐在所の設置や港湾整備等についても引き続き国や県に支援を求めて参ります。

2 「主要施策の概要」について申し上げます。

第1に、「行政一般について」申し上げます。

 定住促進とあわせて安定的な人口の増加は行政サービスの維持や学校運営等にとって重要な要素であります。

 平成24年度から始まりました沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)につきましては、令和4年に沖縄振興特別措置法等の一部が改正され、令和4年度以降についても10年間継続することが決定されました。引き続き一括交付金を活用して島ちゃびの解消等につながる各種事業を継続して実施し、村民の更なる生活環境の充実を図るとともに、本村を訪れる観光客の増加ならびに満足度向上に向けた事業等に積極的に取り組んで参ります。

 行政運営においては行政職員の人材育成は進んできたものの、近年、新職員の採用が非常に厳しい状況を迎えていることから、令和4年度は新たに離島町村が合同で行う「沖縄県離島町村職員採用共同試験」へ参画し職員の確保に努めて参りました。引き続き同制度を活用するとともに、包括連携協定を結んでいるおきなわフィナンシャルグループをはじめ、民間企業からの外部登用による人材確保を図り複雑化する住民サービスに対しきめ細やかに対応できるよう取り組んで参ります。

 また、村の財源の要となる税等の徴収率向上やふるさと納税を広く呼びかけ、財源の確保に努めて参りますが、コロナ禍の影響により令和5年度においても美ら島税をはじめ各種税の減収、基金の取り崩しなど厳しい財政運営になることも想定されることから、年度途中においても現予算のスクラップアンドビルドによる見直し作業を行うなど、コロナ禍における厳しい財政状況を全職員一丸となり乗り切るよう取り組んで参ります。

 更に、中長期財政計画を策定し、持続可能な座間味村の発展と誰一人取り残さない社会づくりの実現に取り組んでまいります。

第2に、「福祉サービスについて」申し上げます。

 福祉サービスにつきましては、「高齢者保健福祉計画」・「障害者福祉計画」に基づき、高齢者や障害者への福祉施策とあわせて、子育て支援等についても現計画に基づいた、「一人ひとりに寄り添い、必要に応じた福祉サービス」が提供できるよう、各種計画を着実に推進して参ります。

 高齢者支援につきましては、コロナ禍で高齢者の皆様の集まる機会等が減少してきておりますが、感染対策を徹底しながら認知症対策等、工夫した各種事業の実施、継続及び充実を図ることで、高齢者一人ひとりが、住み慣れた地域で尊厳を保ち、生き生きと自分らしく暮らすことができる環境づくりに取り組んで参ります。

 障害者支援につきましては、障害者・障害児施策の更なる推進を図るとともに、障害福祉サービスや医療費助成を継続して実施し、障害者・障害児が安心して家庭や地域で暮らすことができる環境づくりに取り組んで参ります。

 これらの施策を実現するため、本村では、重度心身障害者の方に対する医療費助成や専門性の高い治療や福祉サービスを受ける為、島外への通院等が必要な方に対し船舶運賃及び宿泊費の一部を助成する事業等を引き続き実施して参ります。

 令和5年度も村社会福祉協議会や各診療所、座間味偕生園及びサテライト阿嘉偕生園と連携を図りながら、より質の高い幅広い福祉サービスが住民の皆様に提供できるよう、福祉施策の充実・拡充に引き続き取り組んで参ります。

 子育て支援につきましては、新たな支援施策として令和5年度には「子育て世代包括支援センター」を設置致します。妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の充実を図るために、妊娠・出産・子育てに関する相談に応じ包括的な支援を行って参ります。

 親と子の健康支援を始めとする各種事業の継続実施と、将来を担う子どもたちの特性に合わせた療育相談の実施については、村教育委員会と緊密に連携し家庭支援の充実を図ります。

 令和4年度はコロナ渦の中、小児定期予防接種や乳幼児健診につきましては、感染症予防対策をしっかりと講じながら実施して参りました。健診等を始めとする各種のお知らせについてSNSを通じて行うサービスを令和4年度から取り組んで参りましたが、引き続き各種予防接種や乳幼児健診等の対象の子どもたち全員に必要な通知を行って参ります。

 また、妊産婦健診にかかる船賃及び宿泊費の補助や産後ケアを目的として実施しております妊産婦健康診査2回分にかかる費用を助成する妊産婦健康診査事業、出産助成金の支給、中学3年生までのこども医療費の現物給付など引き続き支援を行って参ります。

 保育事業につきましては、子育て支援員の方々や村内民間保育所と連携を図り子育て世帯の支援を行って参ります。

第3に、「保健・医療について」申し上げます。

 保健・医療については、「村民の健康づくり」のため、医療・保健・福祉の連携強化を図り、特定健診並びに各種がん検診の受診率の向上に努め生活習慣病予防対策に取り組むとともに、その他、感染症の予防接種につきましても医療機関と連携し、接種率の向上に努めて参ります。特に新型コロナウイルスに係るワクチン接種については、4回目、5回目の接種を行うなど多くの関係者の協力を得て接種することができました。令和5年度も国・県の追加接種計画に基づき取り組んで参ります。新型コロナウイルス感染症は本年5月以降、感染症法上の位置づけが変更された場合には、5類に引き下げられる予定ですが、引き続き国・県の動向を注視し感染症対策について必要となる情報提供を行うなどしっかり取り組み村民が安心できる環境づくりに努めて参ります。

 新たな取り組みとしましては、65歳以上を対象にした帯状疱疹予防接種費用助成事業を実施します。これにより対象者の経済的な負担を軽減し予防接種を受けやすい環境を整えて参ります。

 国民健康保険事業につきましては、財政運営の主体が沖縄県になりますが今後も県と連携しながら制度の円滑な運営が行えるよう適切に対応して参ります。

 また、国民健康保険事業につきましては医療費負担が年々増加の一途をたどっていることから事業の適正化・健全化を図るため「第2期座間味村国民健康保険データヘルス計画」に基づく生活習慣病対策及び特定保健指導、特に糖尿病等の重症化予防の強化に取り組んで参ります。

 後期高齢者医療事業に関しても、被保険者の健康づくりの支援を行い、医療費の適正化と収納率の向上により財政の健全化に努めて参ります。

第4に、「産業の振興について」申し上げます。

 本村のリ-ディング産業である観光業については平成26年度の国立公園指定以降順調に伸びていた観光入域客数は新型コロナウイルス感染症の影響により急激に減少し、これまでにない大きな影響を受けましたが、令和4年の観光入域客数は7万5千人余りとなっており回復傾向に推移しております。

 また、既存のイベントについても、屋外ステージ等を活用しながらこれまで以上に創意工夫をこらした各種イベントを企画し開催致します。その他にも、令和4年度に冬季の閑散期の誘客をテーマに作成したPR動画をインタ-ネット広告や各種イベントで配信するとともに、クルーズ船、修学旅行誘致等、村観光協会を軸に各種団体との連携を密にしながらコロナ禍以前の活気ある観光の実現に向けて各種施策を実施して参ります。

 また、村商工会とも連携し、観光業復活の一助となる特産品開発への助成等、座間味村の新たな魅力の掘り起しに取り組んで参ります。

 令和5年度におきましても本村観光産業の核となる観光協会の基盤強化に向けて、引き続き問題・課題などの解決に繋がる定期的な議論を行って参ります。

 農業につきましては、令和3年度から5年度にかけ、5年ごとに実施しております農業振興地域の整備計画見直し作業をおこなっており、令和4年度に実施した基礎調査を基に、令和5年度は沖縄県と協議等を行いながら農業振興と地域開発等と調和のとれた農業振興地域の整備の策定を行なって参ります。

 また、本村農業の10年後を見据え、担い手を含め、農地の所有者、地域住民も交え話し合いの場を設け、令和5・6年度で地域計画の策定を行なって参ります。併せて農業委員会による新規就農への支援活動や積極的なアドバイス、営農計画の策定など、農業の振興に向けた仕組み作りを確立し農業の振興を図って参ります。

 近年問題となっている外来イノシシについては、令和4年度に引き続き、沖縄県の「指定管理鳥獣捕獲等事業」を活用しながら本村の「有害鳥獣対策事業」を推進することで農作物被害対策を行うとともに、村内からの根絶を目標として事業を進めて参ります。また、村内での捕獲体制を確立するために、捕獲従事者の育成に取り組んで参ります。捕獲には高度な技術を要するため、有識者を招いた講習会や県外での講習会への派遣を検討致します。

 水産業におきましては、座間味村漁業協同組合と連携し、漁獲物の付加価値向上を図り、ブランド化と安定した需要確保の観点から、ふるさと納税の返礼品としての活用も視野に入れ、特産品開発支援や漁業用餌等の貨物運賃補助を引き続き行い、併せて水産物の県外集荷に要する輸送費の一部に対し補助を行うことで更なる水産業の発展に努めて参ります。

 阿嘉島のサンゴ種苗生産センターにつきましては、地元の雇用や新たな観光産業の創出、第一次産業の発展を目的とし住民の皆様の理解を得ながら事業化に向けた検討を行なって参ります。

 これらの施策展開により、村民へ新鮮な農水産物の安定供給ができる仕組みを構築し、第一次産業の魅力向上と農水産業全体の活性化につなげていく所存です。

 林業につきましては、令和5年度も引き続き造林事業による除伐、施肥下草刈を行なって参ります。また、県内、各地で松くい虫の被害が確認されており、本村でも、被害が懸念されることから、森林贈与税を活用し松くい虫被害木の調査を行い適正な森林の保全を図って参ります。

第5に、「施設やインフラ整備について」申し上げます。

 これまで船舶利用者の要望の多かった座間味港の係留箇所及びゲストバース整備に向けて住民の合意形成を図り、沖縄県の事業化に向けて調整を進めて参ります。

 阿嘉漁港整備につきましては、令和3年度から4年度にかけて沖縄県の事業にて老朽化した第2防波堤の一部を撤去・解体し、新たな消波プロックを設置する改良工事が完了しました。

 また、浮き桟橋付近の駐車場として使用している敷地につきましては舗装が出来るよう沖縄県と調整を進めて参ります。

 河川の管理については、近年、頻発する大雨の増加、台風の大型化による集中豪雨が懸念されることから、住民の安心安全な生活を確保するため沖縄県へ内川2級河川上流部の整備の要望を既に行っており、早急に着手していただくよう引き続き要請して参ります。

 道路整備につきましては、令和3年度に道路法施行令が一部改正となり、県道に移管された橋梁を除く4つの橋について橋梁長寿命化点検調査を行いました。健全性の診断を定期的に行い、引き続き適切な維持管理に努めて参ります。

 道路管理の基礎となります道路台帳の電子化を進め、未買収用地の整理や、村道後原線舗装改修の検討をおこなって参ります。

 また、古道の整備として行う阿嘉地区観光道路整備事業につきましては、希少野生動物であるケラマトカゲモドキの発見や国立公園事業執行協議に時間を要したことから、令和3年度より繰越事業となっておりましたが、令和5年2月に事業が完了しましたのでご報告致します。

 集落内の道路については、多くの要望がありますが、財政状況を踏まえ、補修計画に沿って補修工事を実施して参ります。

 座間味島のイビヌメー前の公園整備につきましては、令和3年度より繰越事業となっておりましたが、令和5年2月に事業が完了しましたのでご報告致します。今後は、観光客や村民が内海や港の光景を眺めながら憩える公園として適切な維持管理に努めて参ります。

 公共交通におきましては、令和3年度よりバス事業の民営化、並びに阿嘉、慶留間の運行実施に向けて協議を行ってまいりましたが実現には至りませんでした。令和5度以降も引き続き協議を重ねて参ります。

 村内航路におきましては令和5年度は村民間の交流や観光振興に資することを目的に、夜間運航の検討等を行い更なる利便性の向上に努めてまいります。

第6に、「住宅環境整備について」申し上げます。

 住宅環境の整備につきましては、内閣府の離島活性化予算を活用し、令和2年度において座間味島及び阿嘉島に定住促進住宅を整備し、令和3年度にて全世帯の入居も決定し一定の成果を収めております。

 それでもなお、本村においては住宅不足が課題となっていることから、令和5年度は沖縄振興特定事業推進費を活用した官民連携による新たな住宅整備に向けて取り組んで参ります。

 公営住宅につきましては、老朽化に伴う修繕に多額の費用を要しており計画的に修繕を行うことでより快適な住居空間の確保に努めるとともに、新たな公営住宅建設につきましては入居希望者の状況調査等を行い必要に応じて検討していきます。

第7に、「廃棄物及び環境への取組について」申し上げます。

 廃棄物処理につきましては、座間味島の溶融炉施設の解体跡地に整備を進めておりました、資源化施設のリサイクルセンターが令和5年2月に完成しことにより将来にわたって効率的に資源ごみを資源化でき、循環型社会に寄与する施設として環境との調和や共生ができるものと考えております。

 可燃ごみにつきましては、引き続き那覇市・南風原町環境施設組合の協力のもと委託処理を行いますが、令和5年度からは、一部の不燃ごみについても委託処理が可能となりました。さらに処理業務の改善に努め、島内にゴミを貯めない仕組みを構築してまいります。

 また、毎年実施している海岸漂着物対策事業につきましては、令和5年度も継続実施し住民及び子どもたちへの「普及啓発・環境教育」も引き続き実施して参ります。

 これまでに幾つかの不法投棄を確認しております。国立公園にふさわしい美ら島づくりには対策として監視カメラの設置等を考えており、不法投棄のない村づくりに取り組んで参ります。

 なお、これまで苦情が多く寄せられています飼い主のいない猫対策については、令和4年度からさくらねこ活動助成金事業を開始いたしました。令和5年度も地域住民や関係機関の協力を得て、ボランティアの方々とともに地域猫活動等を推進して参ります。

第8に、「簡易水道事業について」申し上げます。

 水道事業については、沖縄県企業局を主とした水道広域化事業において阿嘉・慶留間島で海水淡水化施設が令和3年3月末から運用を開始しており、これまで以上に安心安全で安定した水道供給ができるようになりました。

 座間味島におきましても令和7年度供用開始に向け、企業局により実施設計が行われており、令和5年度より工事を着工する予定となっております。1日も早く安心安全な水を安定供給できるよう、浄水場の早期建設・供用開始に向け引き続き沖縄県企業局に対して強く要望して参ります。

 管路の布設替えについては、令和5年度は、昨年度に引き続き慶留間地区の管路更新、座間味区の未完了箇所の更新工事を行います

 簡易水道事業経営安定化の財源となる水道料金現年分、過年度未収金分の徴収についても引き続き強化を図って参ります。

第9に、「下水道事業について」申し上げます。

 下水道事業においてはストックマネジメント計画の取り組みを令和元年度より実施しております。令和5年度からは、ストックマネジメント第2に入り、令和5年度は設計を行い、令和6年度より座間味浄化センターの老朽化に伴う機器等の改築更新を行います。

 阿嘉・慶留間地区の集落排水においては、昨年度に引き続き沖縄県で進めております汚水処理事業の広域化を視野にいれ管理運営について検討を行っているところです。また、阿嘉地区にあります漁業集落排水処理場においては、令和4年度に施設内の機械の一部老朽化に伴い整備を行いました。引き続き安定的に処理できるよう日頃の点検等適切な施設管理を行います。

 接続率の向上に関してもすべての地区において啓蒙活動を行うとともに、下水道事業経営安定化の財源となる使用料の徴収に関しても強化を図って参ります。

 また、地方公営企業法の適用、財政状況を明確化させることを目的とした公営企業会計方式の導入が令和6年度から開始されます。令和5年度は導入前の最終年度なることかシステムの構築を行いスムーズに会計意向ができるよう取り組んで参ります。

第10に、「航路事業について」申し上げます。

 航路事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響も減少傾向にあり、夏場の入域客数におきましてはコロナ以前まで回復しつつありますが、経営面におきましては厳しい一年となりました。

 そのような厳しい経営状況を乗り切るため、令和13年度までリ-スを行う予定でありました高速船クイ-ンざまみを、「沖縄県離島活性推進交付金」を活用し、補助金8億8千万円の補助金と起債2億2千万円にて、沖縄県離島海運振興株式会社より、令和5年3月1日付けで買取を行いました。これにより、年間1億4千万円のリ-ス料金が、年間3千百万円の起債額償還となり、総額として約10億円の負担を減らすことが出来ました。

 那覇出張所に関しましては、令和4年度より株式会社沖縄銀行より出向職員を向かえ入れ、現金管理及び取扱いのより一層の強化を図っております。また、令和5年度より窓口チケット販売、電話予約業務等をアウトソ-シングし、民間企業の有する専門性と機動力・ノウハウを生かし質の高いサ-ビスの提供を図って参ります。

 また、平成22年度に就航しました「村内航路みつしま」は、耐用年数が過ぎ、船体の老朽化がすすんでおり、バリアフリー化を推進する観点においても、新造船の建造が急務となっていることから、「沖縄離島活性化推進事業費」を活用し建造に向けて手続きを進めて参ります。

 また、令和4年度に引き続き、観光客の入域の通年平準化を目標にとした事業として、観光客向けに冬季船舶運賃低減化実証実験を行い、閑散期の誘客に取り組んで参ります。

 令和5年度も航路事業の更なるサービスの向上に努めるとともに、航海安全を第一に、村観光協会や他の組織との連携を図り利用者の増加につながる取組を行って参ります。

第11に、「教育について」申し上げます。

 幼児から大人まで生涯学習を基本に本村に住んでいるすべての住民が郷土愛を育み、子どもから大人まで学び合う「ひとづくりの島」を目指します。

 学校教育につきましては、ざまみ「ひとづくりの島」プロジェクトを基に「村づくりは人づくりから」「地域の子は地域で育てる」を基本理念に、幼児児童生徒一人一人の「確かな学力」を向上させ併せて「生きる力」を育むため、幼児児童生徒一人ひとりにあった目標を設定し、さらに地域の特性をいかした学校経営の取組みを支援して参ります。

 こうした中で、GIGAスクールにおいても児童生徒への1人1台の端末、インターネット回線の整備から3年が経ち、各小中学校においてもICTを活用した授業が浸透し、学力調査等の試験も一部、インターネットでの実施に移行され、更にICT化が進んでいくことから、各小中学校においても学年・学校の枠にとらわれず児童生徒が、自主的に取り組むことができるように今後もICT環境整備の充実に努めて参ります。

 また、新型コロナウイルスの影響により未配置となっておりました外国人指導助手(ALT)も昨年度より再配置となり、今年度は、3年間中止となっていました海外ホームステイの実施、嬬恋村との交流事業の継続、また3年に1度の修学旅行を実施して、児童生徒の視野を広め本村を担う人材育成に取り組んで参ります。

 全国学力・学習状況調査については、各校の熱心な取組みにより、本村の児童生徒の学力は着実に伸びており、小中学校共に対象教科で全国トップクラスの結果を出しています。今後も引き続き、学校と連携し学力向上に努めて参ります。

 幼稚園教育につきましては、引き続き「3年保育」を行うとともに、「預かり保育事業」の充実を図って参ります。

 また、継続事業である村出身の高校生を対象とした、年4回の船舶運賃を補助する村の事業と、国・県の補助金を活用した離島高校生支援事業の継続、小中学生の各種大会派遣費についても継続して助成を行い、保護者の負担軽減と併せて児童生徒の学習意欲を高める環境づくりに引き続き努めて参ります。

 村長部局と協同で実施する療育相談支援については、スクールカウンセラー派遣に留まらず、専門相談員を委託配置し、定期的に相談事業を行うことで、支援を必要とする児童生徒への切れ目ない支援を実施し、その家族が安心して学校生活を送れるよう引き続き環境づくりに努めて参ります。

 学校施設整備につきましては、令和3年度より事業開始しておりました阿嘉小中学校の校舎改築事業が令和4年度で完了し、学習環境の改善を図ることができました。今後の施設整備につきましては、長寿命化計画や老朽化の状況などを確認しながら進めてまいります。

 以上、令和5年度の主要施策を申し上げました。

 これらの施策をより的確かつ効果的に展開できるよう、 

 令和5年度当初予算については、

 一般会計において、 14億2,441万4千円

 特別会計において、 13億3,280万5千円

 総額は、  27億5,721万9千円となっております。

 終わりに、村議会をはじめ、村民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、私の令和5年度の施政方針といたします。

 

 令和5年3月8日

 座間味村長 宮 里  哲